
がぜん面白くなってきた古書研ブログ。
いっちょかみしない手はない。バスに乗り遅れたら得意のママチャリで。
普段から周りの人に(古本屋に)「厚生は本の扱いが荒い、本を後世に残すという意識に欠ける」と言われることが多いのですが、自分としては文学書を扱っているわけではないですし、どちらかというと愛玩するよりも「読む」本を扱っていますので、でも実はいっちょ前に汚い本、傷んでいる本はきらいです。
傷んでいる本が嫌いというよりも「これから傷む可能性のある状態の本」を見ると(これ以上傷めないで!)と心のなかで泣いてしまいます。
カバーのない戦前の本、あるいは時代を問わず帯のある本はなるべく硫酸紙。
ビニールコートされていない本は帯の有無に関わらず一刻も早く店に戻って硫酸紙(飯沢匡の「明治天皇」とかああいう紙質の本)。
即売会など大量の本をさばかなければならず硫酸紙を巻く余裕がなければ上製本ならカバーを外して表紙とカバーの間に巻き込んで保護(伝わるのか?)。
並製なら泣く泣く背の角の所で折って(広げた時に折り目が目立たないように)裏見返しと本体の間に挟む。
この作業は新刊本を買ってもやります。
最近の古本屋の流行は硫酸紙よりも透明ビニールですが、個人的になじめないので断然硫酸紙。他の古本屋さんで買った本にビニールが巻いてあったらすぐに外して捨てます。
今ちょっと読み返してみたらだいぶ偏執的な文章になってきたのてこの辺で。
…次回は本の函に硫酸紙を巻く方法を投稿します。
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親方と検品の神
~ 大阪の某書店で丁稚奉公していた時のお話~
12、3年前のある非常に短い期間、ビジュアル系音楽雑誌とジャニーズ系アイドル雑誌の一大ブームがありました。とにかく、人気のミュージシャンや、スマップ、KinKi Kidsなどのジャニーズ系アイドルの載った雑誌のバックナンバーが高値で飛ぶように売れるのです。それで、とにかく、その当時全盛だった金曜クラブという市場に行って、丁稚ドンはそういう雑誌をバンバン買うわけです。当然、その手のモノは、女心と鋏、のせいで切り抜きが多いわけですが、それを検品する作業が大変でした。器用に、自分のファンの誰々、の部分だけ切り抜いている場合もあるので、1ページ1ページ丁寧に見てゆかなくてはなりません。くる日もくる日も(捲る日も捲る日も?)明星やフールズメイト、ショックス、等の雑誌を検品しました。アイドルやビジュアル系に何の興味も有りませんでしたが、ラルクやグレイ、のことは、その辺の女子高生よりも詳しかったかもしれません。検品作業は退屈なものですから、ページを捲りながらちょこちょこ彼らの、音楽的な主張?なんかを読んで、まあ、別に感心すると云う程のことはありませんでしたけれど(失礼)。
とにかく、売れて売れてしょうがない、と云う状態でした。後にも先にもそんな商売の経験はありません。そして、根が調子乗りの丁稚ドン、売れて売れてが調子に乗って、とうとうある日の市場で、一度に130万円分の雑誌を落札する、という、今から考えれば背筋が凍付く事態に陥りました。なんだ、130万円くらい、と思われるかもしれませんが、幾ら売れるといっても、所詮は流行モノの雑誌に過ぎないわけですから、その当時でも、その金額と量は破格の出来事だったのです。これは、さすがに親方に叱られるのではないかと、思いましたが、ホイホイ、入札してたら落ちてきたんだから、しょうがないじゃない?幸いにも、わが師は、胆の座った、心の大きな人ですので、責任を持って仕事をするように、と云われただけですみましたが、内心は、どうだったのでしょう?今でもよく一緒に飲みますが、その時の心境は、怖くて尋ねたことはありません。
とにかく、その翌日から、頭を丸めて検品の鬼です。少しでも早くお店の売り上げに反映させなくては生きた心地がしません。「ゲームセンター嵐」という漫画の、炎のコマ、と云う技をご存知でしょうか?知りませんよね。まあ、そんな勢いで検品していきました。すると、ある瞬間から、検品の神が、降りて来たのです。部分切り抜きは判断できませんが、ページごと、1ページでも切り取っているものに関しては、本を触っただけで落丁の有無が判るようになったのです。この号の厚さはこのくらい、というのが、まあ、数をこなしたといのもあるとは思いますが、異常なまでに高まった集中力によって手の記憶で判るようになったのです。すごいじゃないか、これは。一人で、感激しました。早速親方に報告しようかと思いましたが、130万円も使って降りて来た検品の神を、果たして親方が喜ぶかどうか自信がありませんでしたので、やめにしました。どっちみち、判っても、一応念のため1ページ1ページ確認するので、作業スピードにさほど違いはありませんしね。
検品のエピソードをと思って書きましたが、ハチャメチャな店員を、独立して一人前に商売が出来るまでに育てていただいた親方のことを思うと、何だかしんみりした気分になってきました。改めて、感謝です。
うちの検品・修理
ずいぶん久しぶりの投稿になりました、杉本梁江堂です。
本の修理・検品について、書いている方が多かったので、私も少々書いてみます。
私は、古本屋の家で育ち、父親が自宅の居間の「父親席」で、いつも和本の修理をしている姿を常に見ておりました。
ピンセットで和本の「ももけた」(表面に浮いているツブツブ。我が家ではそう呼んでいました)箇所を取ったり、アイロンを当てたり、糸綴じをしたり・・・。ずいぶん地味な作業です。
その横で私はごろごろしながらテレビを見ていました。
結婚後私が家を出て、たまに実家に帰っても「父親席」には、和本修理道具が几帳面に並べられています。たぶん今でもやっているのでしょう。
私が学校を卒業後、古本屋をやると決めたとき、最初に父親・兄から教わったのはやはり、和本の糸綴じ・落丁繰り・硫酸紙かけでした。
特に糸綴じは、大量の習字本を3日間にわたって修理させられました。
そのおかげで、今では糸綴じは大の得意になっています。
本の修理は面倒な作業も多いですが、本がきれいになるとやはりうれしいものです。
久しぶりの投稿で、自分の文章があまりにも拙いのにびっくりした杉本梁江堂でした。
検品について
こんばんは。モズブックスです。
何やら投稿する人が限られてきましたが、いいんですかね?
今日は市場でした。市場で落札した本を持って帰ると、できるだけすぐ検品するようにしています。普通の洋装本であれば、線引きや書き込みがないかどうか。明治や大正頃の古い雑誌などでは、落丁や図版の欠けをよく調べるようにしています。今日、落札した古い古い雑誌を点検していましたら、図版(木版画)の欠けがありました。これは痛い。商品として通用するかどうか、よくよく検討しないといけません。
先ほどの象々さんの投稿では、「本を拭かない本屋もあった」ということですが、検品はきっちりやっておかないと、特にネット販売の場合は、即返品になります。当たり前ですが。神保町の超一流老舗書店では、その日仕入れてきたすべての本について、閉店後、店員さんがすべてのページをきっちりめくって検品すると聞いたことがあります。ウチは洋装本の場合、1ページ1ページをめくるのはよほど高額な本くらいしかできませんが、パラパラパラッと2~3往復すれば、微小な線引きや書き込みでも、だいたいは発見できるようになりました。というより、線引きや書き込みのある本は、なんとなく「そういう雰囲気」「そういうにおい」があるように思えます。
ちなみにウチはいままでネット販売で、線引きや書き込みや落丁などによる返品はありません。いちど「指紋が付いている」という理由で返品されたことはありますが…。