元の糸 再考

モズさんが、「元糸」について仰っていたので、「これが正解」と言う意見ではないのですが、杉本梁江堂の内幕を少しをばらしてみます。
元糸は、なるべくおいています。そして足りない部分は、本の中に継ぎ目が来るように別の糸を足すようにしています。足す糸は、他の本から取った古い糸を常備します。古い糸は、ツブシにするような和本から取るようにしています。またそのような本からは、表紙・表紙裏の白い部分・角裂なども取っておきます。
もちろん「これは仕方がない」と言うものはすべて新しい糸に取り替えます。糸の色は表紙に合わせて色々替えます。
お客様が自分で修理・補修をされる場合もあるかもしれませんが、少しでも本屋が修理をしておいた方が親切ですし、角裂の取り替えなんてなかなか細かくて面倒な作業です。
目録などでよく「表紙替り」と解説で書いてあるものがありますが、杉本梁江堂でもボロボロになった表紙を、別の本から取った表紙に替える時もあります。
和本修理の内幕をばらして恥ずかしいですが、本の修理は「少しでもきれいな姿で売りたい」と言う気持ちの表れなので、ご理解下さい。
ちなみに杉本梁江堂では、和本や版画・一枚摺りなどの裏打ちについても秘密があるのですが、それは又機会があれば告白したいと思います。


落丁繰りは慎重に!

またまた投稿させていただきます。杉本梁江堂です。
和本の落丁繰りは、洋装本の落丁繰りと違って丁数がややこしい時があります。
普通、ページ数は「1、2、3、4・・・」と進んでいきますが、和本の場合は「一、二、三、四・・・」と進むうち、「十一又十一」とか「十五より二十五」とか、思わず騙されそうな丁付けがされている場合があります。
最初こんな丁付けを見た時、意味がわからず、理解が出来ませんでした。
また、丁数が柱(和本の折目の部分)についてある場合はやり易いのですが、浄瑠璃本などは縫目の部分に丁数が打ってあるので、とても見にくく、困ってしまう時があります。浄瑠璃本は、文字も読みにくく、文章が繋がっているかわからない時もあるので、落丁繰りは慎重になります。
ただでさえ見にくいのに、「十五から二十五」なんて丁数があったりすると、思わず「おいおい!」と本に向かってツッコミを入れたくなります。
和本の落丁繰りは、みなさん慎重にやりましょう!


うちの検品・修理 

 ずいぶん久しぶりの投稿になりました、杉本梁江堂です。
本の修理・検品について、書いている方が多かったので、私も少々書いてみます。
私は、古本屋の家で育ち、父親が自宅の居間の「父親席」で、いつも和本の修理をしている姿を常に見ておりました。
ピンセットで和本の「ももけた」(表面に浮いているツブツブ。我が家ではそう呼んでいました)箇所を取ったり、アイロンを当てたり、糸綴じをしたり・・・。ずいぶん地味な作業です。
その横で私はごろごろしながらテレビを見ていました。
結婚後私が家を出て、たまに実家に帰っても「父親席」には、和本修理道具が几帳面に並べられています。たぶん今でもやっているのでしょう。
私が学校を卒業後、古本屋をやると決めたとき、最初に父親・兄から教わったのはやはり、和本の糸綴じ・落丁繰り・硫酸紙かけでした。
特に糸綴じは、大量の習字本を3日間にわたって修理させられました。
そのおかげで、今では糸綴じは大の得意になっています。
本の修理は面倒な作業も多いですが、本がきれいになるとやはりうれしいものです。
久しぶりの投稿で、自分の文章があまりにも拙いのにびっくりした杉本梁江堂でした。


新年あけましておめでとうございます

 みなさま、新年あけましておめでとうございます。
旧年中は、大阪古書研究会主催の「天神さんの古本まつり」などの即売会や、古書目録「萬巻」にご来場・ご注文いただき、誠にありがとうございました。
大阪古書研究会も結成から10年以上になり、マンネリにならぬよう、無い知恵を絞っておりますが、お客様からも、面白いアイデアがございましたら、どうぞご懇意の大阪古書研究会会員にご教示ください。
3月には、「第2回 水の都の古本展」が開催されます。併せて目録も発行いたします。
今年も魅力ある催事・目録作りを目指し、会員一同勉強していきたいと思います。
皆様どうぞ今年もよろしくお願いいたします。