天神さんの古本まつりまであと3日!

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さあ、天神さんの古本まつりまで、あと3日になりました!
参加店はどこも最後の準備に大わらわ、のはず。
今年は四天王寺秋の大古本祭りと日程が丸かぶりしています。
お客様からはとても一日では回りきれないという悲鳴が聞こえてくる一方、
地方からわざわざ古本まつりのために来阪してくださるお客様にとっては、
一日でどちらも回れるので効率的だ、という歓迎の声も聞こえてきます。

日本の南海上に台風19号というのが姿を現しており、
今後の動きがひじょうに気になります。
このまえの台風18号のようなルートを通れば、お客様で賑わうはずの
3連休に直撃してしまいます!
どうかルートを外れてくれますように。。。

天神さんの古本まつりでは、今年も百円均一コーナーが充実しています。
昨年は「日本の古本屋」で5千円も、1万円もする本が、
百円均一コーナーで見つかったというお客様の報告を聞きました。
古本屋は歯ぎしりして悔しがっています。。。

また、各店のテントにも掘り出し物はたくさんございます。
当店のテントでも、3冊500円コーナーから、星新一のサイン本など、
掘り出したお客様がおられます(若い女性のお客様でした)。

今年の天神さんへもぜひご来場ください。
きっと古本散策を楽しんでいただけると思います。
よろしくお願いいたします。

第17回 天神さんの古本まつり
・大阪天満宮境内
・平成26年10月10日(金)~15日(水)
・午前10時~午後5時(最終日は午後4時まで)

 

天神さんの古本まつり参加店
◎大阪古書研究会会員店
・キトラ文庫  ・厚生書店  ・書砦梁山泊(大阪店)  ・古書キリコ
・杉本梁江堂(天神橋店)  ・汎書店  ・モズブックス  ・駱駝堂

◎ゲスト参加店
・郁書房  ・百済書房  ・三鈴書林  ・光国家書店
・矢野書房  ・矢野書房(天満橋店)
・豊能障害者労働センター(特別参加)


ただいま目録編集中~第5回水の都の古本展

モズブックスです。

5回目となる「水の都の古本展」、参加店は合同目録の編集作業に追われています。今回の目録は、ひとつの節目となる第5回目ということで、巻頭にちょっとした特集を設けることになりました。特集内容の方向性は決まっているのですが、正式な特集タイトルは検討中のため、詳細は改めてお知らせいたします。目録発行は2月20日頃を予定しています。ご期待ください。

「水の都の古本展」は、大阪古書研究会の会員のみが参加している(参加できる)古書即売会です。今回は、キトラ文庫、厚生書店、書砦梁山泊、杉本梁江堂、汎書店、moderna、駱駝堂、モズブックスの8店が参加します。会場はいつもと同じ、中之島の中央公会堂B1Fの展示室になります。会場の中心にガラスケースを設置して、各店選りすぐりの商品をじっくりご覧いただけるようになっています。そしてガラスケースの周囲に配置したテーブルやワゴンに、お求めやすい良書・善本を並べます。

大阪古書研究会が主催しているもうひとつの「天神さんの古本まつり」とは、まったく違うスタイルの古書即売会ですが、規模が小さい分、いろいろと新しい試みも取り入れやすく、他と違った特色を出しやすい催事です。参加店は知恵を出しあい、工夫を重ねて、より魅力的な古書即売会になるよう、頑張っておりますので、ぜひご来場ください。

第5回 水の都の古本展
・大阪市中央公会堂(地下1階・展示室)
・平成26年3月6日(木)~9日(日)
・午前10時~午後8時(最終日は午後5時まで)


新年のご挨拶

モズブックスです。
新年あけましておめでとうございます。

本年より大阪古書研究会の会長を務めさせていただくことになりました。これまでと変わらぬご支援を、何卒よろしくお願い申し上げます。

さて、大阪古書研究会は平成9年9月に発足し、今年で17年目を迎えております。平成9年といえば西暦に直すと1997年です。ウインドウズ95の登場によって、インターネットに接続されたパソコンが個人に普及しはじめた矢先、東京古書組合はいち早く平成8年9月に「日本の古本屋」を立ち上げました。ヤフーオークションのサービス開始が平成11年9月、Amazon.comの日本版「Amazon.co.jp」のオープンが平成12年11月ということを考えると、古書業界の先人たちの、将来を的確に見据えた事業展開に驚かざるを得ません。

しかし、「日本の古本屋」だけが古書のネットショッピングモールであった時代は良かったのですが、ヤフーオークションやアマゾンでも古書が扱われるようになると、古書業界は急速に価格競争の波に呑まれ、大半の古書がコモディティ化してしまうことになりました。

つい先日の古書即売会の折、業界の古老に聞いた話では、21世紀に入った頃から、古書即売会での売れ行きが急速に鈍ってきたということです。ネット上での古書販売をめぐる新しい動きと、古書即売会での売上低下は、時期的に一致するだけでなく、その要因を考えても相関関係があることは明らかでしょう。

現在、大阪古書研究会は、毎年10月に「天神さんの古本まつり」(これまで16回開催)、毎年2月~3月に「水の都の古本展」(同4回開催)を主催しております。最初の頃の「天神さんの古本まつり」は、大阪天満宮の境内いっぱいにテントが立ち並び、本もよく売れたと聞いております。しかし、ここ10年ほどは、売上不振→参加店減少という負のスパイラルに抗しがたく、特にここ数年に限れば、開催するかしないかの議論が常になされるほど、古本まつりを例年通り行うこと自体が難しくなってきているような厳しい状況です。

先に申し述べた通り、即売会現場での売上不振は、「(その本が)ちょっと探せばどこでも買える」=「無理にいま買う必要はない」=「ネットで調べて最安値で買おう」という購買者心理に一因があるのは確かです。これがまさしくコモディティ化という現象なのですが、家電製品を店舗で現物を比較検討し、ネットで最安値で購入するのと同じで、私たちにとっても悩ましい問題です。珍しい本ばかりを用意することは困難ですし、古本屋としては「基本図書」と言われる商品もおさえておきたいのです。

こうした現状認識のもと、今後の古書即売会とはどうあるべきか、さらには、古書即売会はお客様に何を提供できるのか/提案できるのか、それを真摯に考えていかなければ、古書即売会の未来はないと、個人的にそう思います。木箱に商品を入れて並べておくだけでどんどん古書が売れていく時代ではありません。「一冊の本が人生を変える」といった、一昔前の啓蒙主義的なアピールだけで本が劇的に売れるとも思えません。もっと根本的なところで、私たちプロの古本屋が果たすべき役割があり、古書即売会の役割があり、それらをお客様にアピールしていく責務があるように思います。

幸いにして大阪古書研究会は、単に古書即売会を行うだけの団体ではありません。古書や古書販売にまつわる様々な研究や議論を重ね、古書文化の普及を担う一翼でありたいとの思いで活動しております。古書即売会は私たちにとって販売の場であるのはもちろんですが、そうした研究や議論の発表の場でもあるのです。

「水の都の古本展」は、上記のような問題提起をも内包し、実験的な試みとして、5年前に立ち上げたばかりの小規模即売会です。参加店は大阪古書研究会の会員店のみですので、思いついたアイデアを割と気軽に実行に移すことができます。まだまだ試行錯誤中ですが、なかなか面白みのある即売会に育ってきたという実感はあります。

今年も大阪古書研究会は、「天神さんの古本まつり」と「水の都の古本展」を2つの柱にして活動してまいります。また、これらの即売会に付随して、合同古書目録も作成いたします。合同古書目録については、また別の機会に触れることもあるかと思いますが、大阪古書研究会の重要な活動のひとつであり、日頃の研鑽の発表の場でもあります。

本年も大阪古書研究会をご支援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。


(リレー連載)キトラ文庫

小説に還る   キトラ文庫(安田 有)

この数年間に発行された小説(単行本)を70冊ばかり業者の市会(市場)に出品した。

最新刊、また去年発行の本も20冊ほどある。作家は三浦しをん、湊かなえ、宮部みゆき、角田光代、桐野夏生等々。

札が一枚も入らなかった。少しは予想していたことである。ちょうど100冊に足して次週の市会に出品した。それでも落札とはならなかった。千円(1冊10円)にも届かないということである。友人の本が大半であったので、廃棄するにしのびず、段ボール一箱分(入らない分は廃棄)を宅配便にして店に送り返した。

後日、店の100円均一台に並べた。三分の一くらいは売れた。

どの著者も評判高い作家の部類に入る人だろう。しかし、わたし自身、数年ほど前に宮部や桐野の作品を2、3冊読んだ切である。そこで少しは友人所有の本を読んでみることにした。

初めて高村薫の本を読んだ。『太陽を曳く馬』上下。(つづく)