元の糸 再考

モズさんが、「元糸」について仰っていたので、「これが正解」と言う意見ではないのですが、杉本梁江堂の内幕を少しをばらしてみます。
元糸は、なるべくおいています。そして足りない部分は、本の中に継ぎ目が来るように別の糸を足すようにしています。足す糸は、他の本から取った古い糸を常備します。古い糸は、ツブシにするような和本から取るようにしています。またそのような本からは、表紙・表紙裏の白い部分・角裂なども取っておきます。
もちろん「これは仕方がない」と言うものはすべて新しい糸に取り替えます。糸の色は表紙に合わせて色々替えます。
お客様が自分で修理・補修をされる場合もあるかもしれませんが、少しでも本屋が修理をしておいた方が親切ですし、角裂の取り替えなんてなかなか細かくて面倒な作業です。
目録などでよく「表紙替り」と解説で書いてあるものがありますが、杉本梁江堂でもボロボロになった表紙を、別の本から取った表紙に替える時もあります。
和本修理の内幕をばらして恥ずかしいですが、本の修理は「少しでもきれいな姿で売りたい」と言う気持ちの表れなので、ご理解下さい。
ちなみに杉本梁江堂では、和本や版画・一枚摺りなどの裏打ちについても秘密があるのですが、それは又機会があれば告白したいと思います。


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