[週刊 萬巻]女姿 椋の霊木(仮)|梁山泊

書名:女姿 椋の霊木(仮)
刊行年:江戸期

解説:京都に女の形をした椋の木があったことを伝える摺物。

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読み下し(句読点・濁点・改行梁山泊)

「上御霊御社内たつミのすみニ椋の木あり。
そばよりミる時ハ常の木のすがたなり。
夜分ニ東の方へ半丁程行、ミる時ハ、
十八、九の娘のかたちにミゆる。
かほのやうす、ワげ、つとのぐわい、帯の風俗までうるわしく、
誠ニすごひ程ニミゆるなり。

ある人の曰く、是霊木也。必あざけることなかれ。
先達而、去所にケ様のことありしに、見物の人多く来ルを
うるさく思ひ、其木を切しかバ、たちまちたたりをなし、
木を切し人きぬけのやうになりしとなり。
諸木人のかたちをあらわすハ出世の道理なり。
是をさまたぐる時ハたたること断りなり。

此霊木も今、出世の姿をあらわれしことなれバ
是をミる人ハあやかりてうんにかなふといへり」