書いてやる書いてやる

 ようし書いてやる書いてやる、先生が卒論書けって云うから書いてやる、書く、書く、俺は「カラマーゾフ」と同じ文字数を書く、「マダム・ボヴァリー」と同じ枚数を書く、先生は俺の書いたものを評してこういうだろう、Xの書いたものは、文字数においてあまりにもドストエフスキー的である。フロベール的である。云々。Xは、文字数において、あらゆる世界文学を網羅している。内容も理解していないのに、その、文字数を正確に数え文字数のみを正確に模倣する。「カラマーゾフの文字数」「マダム・文字数」。すでにXは、世界文学の巨人である。ただし文字数においてのみ。そうだ、おれはあらゆる文字数を書いてやる。それがあらゆる文学に対する俺の挨拶だ。ようし、ようし、ようし、書いてやる、書いてやる、書いてやる、ブンガク青年は無反省に書いてやる書いてやる、先生が最後まで読めないくらい書いてやる。書いてやる、書いてやる、地の果てまで書いてやる。


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