(管理人より)お送りしていた「週刊 萬巻」はお休みさせていただき、今月より大阪古書研究会会員によるリレー連載をお送りいたします。毎週火曜日更新予定。第一回は、新入会員の駱駝堂さんです。
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この度、大阪古書研に新しく入会させていただきました駱駝堂と申します。
この11月で開業してちょうど1年という駆け出しで、この場で書かせていただくのも恐れ多いのですが、簡単にご挨拶に代えさせていただきます。
奈良の古書組合に所属しておりまして、現在人文書をメインに、無店舗(ネット通販中心)で営業しています。もともと古書店修行の経験もなんのつてもなく、狭く偏った嗜好だけをもとに、この世界に入りました。
古本屋になろうと決めた去年の夏、先達の書かれたいろんな本を読み漁っておりました。そのなかの一冊(田村治芳著『彷書月刊編集長』)に、次のような一節がありました。
「最近は古本屋にもビジネスなどと似合わない言葉が被せられてマスコミねたになったりもするが、もともと、この仕事は「目指してなる」という野暮なものでなくて、「気がついたらなっていた」。そういうものだった。達成感とはいわないが、到着感というものはあって、だからここから先に行く人はあまりいない。脱サラ、編集者くずれ、役者くずれというのはあっても「古本屋くずれ」はない。もうこれ以上崩れない場所らしいのだ。」
“崩れない場所“という言葉になにか安心感のようなものを抱いておりましたが、一年経ちまして、底知れぬ怖さ(?)のようなものも感じとれるようになってきた日々でございます。深くて広大な古書の海に溺れながら、面白い本を発掘して参りたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
第16回天神さんの古本祭にも、参加させていただきました。
課題もたくさん残りましたが、初めてのお客様との対面販売で、大きな経験をさせていただきました。
ご来店、お買い上げいただきました皆様、誠にありがとうございました。
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来週は、同じく新入会員の本源郷さんです。