萬巻30号記念号がついに完成しました!
24の古書店が参加、100ページを超えるボリューム(うちカラー写真版が60ページ)、質量ともに充実した内容に仕上がりました。
顧客の皆さまには週明けにもお手元にお届けできると思います。
また、参加店にも少部数ながら置いていると思いますので、ご希望の方は懇意のお店にお問合せください。
参加店
【大阪古書研究会・会員店】
一冊堂、キトラ文庫、厚生書店、古書キリコ、書砦梁山泊・大阪店、書砦梁山泊・京都店、杉本梁江堂・天神橋店、寸心堂書店、モズブックス、駱駝堂、唯書房
【ゲスト参加店】
オヨヨ書林、 汎書店、矢野書房、矢野書房・天満橋店、あがたの森書房、石川古本店、古書鎌田、古書象々、KOSHO SHOP 満、書苑よしむら、 図研(ZUKEN)、ハナ書房、悠南書房
巻頭のごあいさつ文を転載いたします。
今年も『萬巻』をお届けいたします。
私共、大阪古書研究会は、平成九年九月に大阪・奈良の十三の古書店によって結成されました。『萬巻』は年に二回発行していた時期もありますので、今回が第三十号にあたります。この間、約二十年の歳月が流れ、参加店の顔ぶれも、掲載されている商品の傾向も大きく様変わりしました。古書を取り巻く環境が、ここまで激変するとは、当時どこまで予想できたでしょうか。
平成九年といえば、ちょうどインターネットが各家庭にまで普及しはじめた頃です。その前年の平成八年には、東京古書組合が古書検索サイト「日本の古本屋」を立ち上げました。ヤフオクのサービス開始は平成十一年、アマゾンがマーケットプレイスを導入するのは平成十四年のことですから、インターネットによる古書販売は私共の古書業界が先陣を切ったのです。
インターネットによる古書販売の普及は、あらゆる面で思わぬ需要を掘り起こし、古書業界の将来に対して、ある種の可能性を感じさせる期待感すらありました。しかし、その一方では、熾烈な価格競争の果てに、まさに底が抜けた勢いで古書価の暴落が生じることとなり、古書相場に激変をもたらす結果にもなりました。
この二十年で多くの価値が失われ、そして新たな価値が見直されました。そうした現状を踏まえ、いま古書目録を発行することにどういう意味があるのか、自問自答しない日はありません。なぜなら、ますます厳しさを増す市況の下で、目録を出すことは決して簡単ではないからです。インターネットで販売する方が経費も掛からず、現金化が早い場合も往々です。それでも『萬巻』に商品を掲載し、お客様を待つという商売がこの二十年の間に三十回も続けられてきました。
三十号にもわたり、継続して『萬巻』を発行できたのは、ひとえにご注文を下さるお客様のおかげに他なりません。今後とも大阪古書研究会をよろしくお願い申し上げます。
大阪古書研究会会長
モズブックス 松村 明徳